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「いいですね」
彼が確かめるように私を促す
私は黙って、首だけをカクっとしたに下げた
「ふふ、可愛いですよ」
「すごく」
彼は両腕を私からフワッと離す
縛られた鎖から解放された囚人のような喜び
そして、冬に目覚めた布団を剥がされたような心の寒さ
両方の感情を彼は私に感じさせる
「すこし待ってくださいね」
彼は自分のクローゼットに向かい
パタパタと足音をたてた
冷静な彼が、ウキウキとした子供の様に見えた
そんな時折みせる彼の子供みたいな仕草も
私の心を惹きつけてやまない
何か音楽や、テレビの音があれば気持ちをウヤムヤにできるのに
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