レッスン1

7/28
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「いいですね」 彼が確かめるように私を促す 私は黙って、首だけをカクっとしたに下げた 「ふふ、可愛いですよ」 「すごく」 彼は両腕を私からフワッと離す 縛られた鎖から解放された囚人のような喜び そして、冬に目覚めた布団を剥がされたような心の寒さ 両方の感情を彼は私に感じさせる 「すこし待ってくださいね」 彼は自分のクローゼットに向かい パタパタと足音をたてた 冷静な彼が、ウキウキとした子供の様に見えた そんな時折みせる彼の子供みたいな仕草も 私の心を惹きつけてやまない 何か音楽や、テレビの音があれば気持ちをウヤムヤにできるのに
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!