20人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっとだけ秘密があるのは、当たり。
でも誓って、女性関係じゃないから。
俺の身も、心も、魂も、美沙ちゃんに全部捧げてるし。
あっ、ちなみにね、最初にあげた21本のバラには
『あなただけに尽くします』って花言葉があるんだよ」
だが彼は、肝心の答えを口にしてこない。
だから、ちょっと促してみた。
「それで?」
しかし珍しく彼は、答えを渋った。
「ごめん。それだけは、もうしばらく待って欲しいんだ」
「どうして?」
「うぅーん、なんていうか、男の決心っていうか。
いや、俺の決心かな。
それのために、ちょっとだけ時間が欲しいんだ」
そう話した翌日、私たちは新幹線の上りのプラットホームに立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!