第2章 11月19日土曜日

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 ユリカは、彼女の前でもこんなにぐうたらしている俺に、怒ったことはない。最初の方は、「眠そうにしてごめんな、たまには叩き起こしてもいいよ。」なんてよく謝っていた。しかしユリカはその度に、「いいよ、ショウくんと一緒にいられるだけでいいから。」なんて言う。決まって言う。だからそのうち、俺も謝らなくなった。バ彼女ってやつだな。これ褒め言葉。 「クリスマス?もうそういう時期か。」 「そうよ。しかもね、今年のクリスマス、土日。」 「わあい!」  俺は適当に、喜んだかのような声をあげた。 「うわざっつ。ふふ。」  案の定ユリカがツッコんでくる。
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