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あぁ、幸せだ。
今、世界中で一番幸せなのは自分なのではないかと思う程に。
来年も再来年も、この先ずっと、この花火を2人で見に来よう。
高1の頃に告白してから時は流れ、高校三年生になった俺たちは、今年もまたこの小さな約束通り、花火を見るために絶景スポットに着々と足を運んでいった。
大きい通りに出た。
ざわざわと花火を見に来たであろう人たちの声がよく聞こえる。
今年は去年よりも客の来る時間帯が早くなってるようだ。
「今年はお客さん来るの早いね。去年はこの時間だとまだちらほらとしか居なかったのに。」
「そうだな。こりゃ、少し急がないと場所無くなるかもな。」
そんな会話をしていると、後方から悲鳴が聞こえた。
「だから早く行こうって言ったんだよ…っ!?涼太!!!!」
彼女に思い切り押され、振り返った俺の視界には車のライトに包まれた由莉の姿だけが映っていた。
キィィイイイガシャーーーン
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