世は随に僅か歪み【ジャンプ＋用】

芸１＜タレント＞

「いい、グゥ。箝口令は継続中よ。忘れないでね」厳しい口調で釘を刺しておくアヤ。
ナルにタレントの事を触れさせるには危険が伴う。中学校の時と比べて比較的安全だとは言え、それでもまだ安心は出来ない。コスモに入学してからアヤは感じていた。コスモは危険と安全が常に隣り合わせにある環境である事を…
「…でもナル君はタレントの事を知りたがってますよ？どうするつもりですか？」グゥは遊鬼から、ナルがタレントの事を嗅ぎ回っている事を聞いていた。
「…仕方無いわね。私が上手く説明しておくわ。グゥ達はナル君が余計な事をしないように見張っておく事ね」グゥはクラスでもアヤと双璧になるくらい頭が良い事を評価している。遊鬼よりは信頼が厚い。
「分かりました。ダメ、絶対ですね」
「分かればよろしい」腐れ縁は一先ず安心だろう。心配があるとすれば、残りのクラスメイトだけだ。

冥派の人間は分からないが、アヤ派の人間はアヤから言えばいい。