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世は随(まにま)に僅か歪み、悠久の時を湛(たた)える。
湛えられた時は水のように静かに流れ、何かあっても何事も無かったかのように進んで行く。
過ぎ行く時は後を刻まず、それが定めであったように平凡で、穏やかで、時に退屈になる。
僕はそんな毎日のルーティーンにうんざりする。
授業中…ぃゃ…今は僕が所属する1年8組の級長である、デブこと板東大介と、近所の幼馴染みで副級長を務める、姫カットが似合うアヤちゃんが教壇に立ってクラスを、一つの方向へと導こうとしている。
教室の黒板には「文化祭について」と軽やかに白のチョークで書かれた文字が、寂しく佇んでいる。
僕にとってはどうでもいい。秋桜ヶ丘(こすもがおか)高校に入って初めての文化祭になるが、何もそこまで力を入れなくても、上級生が、生徒会が、部活に所属する人達がなんだかんだで盛り上げてくれるだろう。
他人任せかもしれないが、そこまで力を入れる気力は僕には微塵も存在しないからだ。
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