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「…ぇと、1年8組の文化祭の出し物ですね」
グゥは腕時計型のウェアラブル端末で、グゥ○ルを開いて、音声入力で「1年8組の文化祭の出し物」と問いかけた。
僕達の時代になると、携帯電話も進化していてウェアラブル端末を持っている人は学生でも普通にいるような時代になっている。が、そんな時代遅れの遺物を持っている人など数えるほどしかいないくらい。
「1年8組の文化祭の出し物は『演劇』が相応しいでしょう」まるで生きている人間が喋っているような返答をしてくれたが、機械の声だ。
クラスメイトはグゥの端末に耳を傾けて聞いた。
「脚本をサクラさん、演出をロック君、照明をヤマモト君、監督は伊達先生で問題有りません」
「どう、冥さん?」とドヤ顔で問うアヤちゃん。
「私は納得がいかぬな。伊達先生に監督が務まるのか?荷が重くないか?」冥の言う事も最もだ。最初からクラスに居るのに、置物のように目立たない。
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