祈りと畏れと

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 唇を離すと彼と間近で目が合ってしまい、恥ずかしさで、かあっと頬が熱くなる。 「……積極的だね」 「……」 「俺に何をして欲しい?」  言葉の代わりに、彼を抱き締める。ほなみにも分かるほど、彼の身体がビクッと震えた。背中を撫でながら首筋にそっと口付けて胸元にも唇を落とすと、彼の呼吸が荒くなる。胸に触れ、乳首に舌を這わせると、彼の肌はますます熱をもち、ほなみを抱き締める腕に力が込められる。 「ほなみっ……」  彼は苦しげに呟き、ほなみを再びベッドに倒した。  薔薇が床に落ち、花びらが舞う。 「……俺をこんなに煽って……どうなっても知らないよ?」  西本はズボンのベルトをもどかしそうに外すとジッパーを降ろし、下着ごと脱ぎ去った。 「……!」  はちきれんばかりに膨らみ、上を向いた男性自身を見て、ほなみは思わず身構える。 「……どうしたのさ……見るのは初めてじゃないのに?」  彼は、くすくすと笑ってスカートを素早く脱がし、下着の中に指を侵入させ弄び始める。 「……ああっ……ダメっ」  溢れ出し熱くなっている中に繊細な指が踊る。ほなみは堪らず声を漏らした。 「ああ……ほなみ……可愛い……っ」 「か……わいくなんか……」 「何を言ってるんだよ……ほなみが可愛くなけりゃ誰が可愛いのさ」 「ーーあっ」  油断のならない彼の長い指は、ほなみの胸元をはだけさせ、ブラジャーを上に押し上げていた。  彼は指で熱い蕾の中を掻き回しながら、乳房に舌を這わせ、上擦る声で囁いた。 「西く……私」  熱い唇で塞がれて何も言えなくなる。まともな思考が出来なくなる寸前まで咥内を凌辱していく。彼女の意識が飛びかけた時、ようやく唇を離し、彼が囁いた。 「もう……会えないかと思ってた……」 「私……っ」  話そうとすると、また烈しく唇を奪われる。理性を手放しそうになる、熱く甘い彼のキス。 「好きだ……もう……諦めようとしてたけど……そんなの無理だ……っ」 「西君……私……あなたが」 「今は……何も言わなくていい……」 「西く……」 「これ以上何か言われたら……幸福すぎて死んじゃうよ……」  彼は、屈託ない輝きを瞳に宿して笑った。
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