1031人が本棚に入れています
本棚に追加
/818ページ
"君は旋律(恋)を奏でた
君は旋律(恋)を撒いた
渇いた砂に 染み込むように もっともっと、もっと欲しいって泣いているみたいに
僕も旋律を奏でるよ君の居る場所へ届くまで
遠くたって 諦めない
音符に乗って、君のすべてをさらいに行くよ"
初めて聴いたその瞬間、自分の総てを乗っ取られたと錯覚する程、ほなみを夢中にしたメロディーと、ピアノを華麗に弾く彼の姿が、今、現実に目の前にある。
――なぜ、こんな風に胸が鳴るのだろう。
どうして、彼の声や姿が、ここまで自分を切なくさせるのだろうか?
白くなる程に強く握りしめたほなみの両手の甲に、あたたかい涙が落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!