不思議な疼き

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 "君は旋律(恋)を奏でた  君は旋律(恋)を撒いた  渇いた砂に 染み込むように もっともっと、もっと欲しいって泣いているみたいに  僕も旋律を奏でるよ君の居る場所へ届くまで  遠くたって 諦めない  音符に乗って、君のすべてをさらいに行くよ"  初めて聴いたその瞬間、自分の総てを乗っ取られたと錯覚する程、ほなみを夢中にしたメロディーと、ピアノを華麗に弾く彼の姿が、今、現実に目の前にある。  ――なぜ、こんな風に胸が鳴るのだろう。  どうして、彼の声や姿が、ここまで自分を切なくさせるのだろうか?  白くなる程に強く握りしめたほなみの両手の甲に、あたたかい涙が落ちた。
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