不可解の極み、校閲・校正課!

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顔を覆う髪の隙間から、眼を覗かせてじっと見つめる沙羽のその姿に、身震いした坂井は「まじ、怖いっす。今日の江崎さん。」と、苦そうに笑った。 「訳は知りませんが、江崎さん、元気出して下さい。それじゃお先っす。」 そう言うと、坂井はオフィスを後にした。 「じゃ、江崎さん、行きましょうか!」 野口がそう言って立ち上がると、沙羽も立ち上がり、田中と佐藤は再び顔を上げた。 「あ、俺、コーヒーがいいな。ホット。悪いけど、いい?」 「あ、俺も俺も!ホットでLサイズ!」 「了解で~す。佐藤さん、サイズは?」 「俺は、レギュラーでいいかな。悪いね。」 「いえいえ。これくらいオーケーです。」 沙羽がバッグから財布を取り出すと、後ろに座って仕事をする黒谷を横目で一瞥する。 「わぁ、ほんと仕事が早いですねー黒谷さんって。助かるー!」 1係で黒谷の向かいの席に座る、桑原美鈴が歓声を上げた。 「そうですか?」 「そうですよ!ねえ!小橋さん!」 「え、あ、俺ですか?あ、えぇ、まぁ、そっすね。確かに早くて、助かりますね。」 おずおずと小橋が答えると渡辺が机に突っ伏した。 「まじ、ほんと、終わったら、俺の分も頼みたいくらいだよ。はぁ、今日までに終わんのかよ、これ。まじで。」 沙羽の後ろではそんなやりとりが為されていて、沙羽は、黒谷に対して不服げに、小さくため息をついた。
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