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昼休みのざわめく教室で、旭川美佐は黒板を拭いていた。
午後の授業の準備だ。
俺と圭太は、その後ろ姿を見ていた。
「まあな。特に膝から下が綺麗だよな。」
「だろ──」
確かこんな感じで、圭太と話していたと思う。
つい3週間ほど前のことだ。
美佐は特に目立つ子ではなかった。
でもその日を境に、やたら魅力的になっていったのを覚えている。
眼鏡からコンタクトに変え(たぶんカラコン)、髪を、柔らかい色に染めて、一つにまとめるのをやめた。
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