出会い

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出会い

毎年春になると、通りはハナミズキの街路樹が白や薄紅色の可憐な花をつける。 そこはハナミズキ通りとよばれていた。 島田市が運営する施設『勤労青少年センター』は、その通り沿いに建っている。 かつては白亜だったという外壁は、年月を経て色褪せ今では灰色に変わっている。 そこでは、夕方になると仕事帰りの若い男女が集い、料理や、英会話、合気道、ヨガ、茶道などを学んでいる。 でも、そこは学びの場というより、実は若い男女の交流の場であり、もっといえば男女の出会いの場だった。 その春、ぼくは茶道(裏千家)を受講することにした。 茶道の講座に入って間もなくのことだった。 ヨガを受講している親友の大島から、ヨガの講座にも入れと勧誘された。 生徒を募集しているのだという。 誰か紹介して欲しいと先生から言われたらしい。 ヨガは、六名ほどの少人数の講座で、大半が男だと聞いていたので、あまり興味がなかった。 でも、先生は若くて背が高く、すらっとした体型の美人だという。 毎回、講座が終わると、その先生と一緒に喫茶店に行くのだと大島は付け加えた。 ぼくはすぐに受講を決めた。 確かにヨガの講座では、終わると皆で喫茶店に行くのがならわしになっていた。
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