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「夏輝、大切にします。夏輝の笑顔を守るためならどんなことでもします。悲しませるようなことは絶対しない。だから夏輝……もう、泣かないで……」
「うん……シゲ……、俺も、シゲの側にいるよ、ずっと……」
俺は手を伸ばしシゲの短い髪に触れた。
「俺、シゲの髪、好きなんだ……」
「髪……ですか……」
「それだけじゃないけど! あっ、シゲ、もう美容院来るなよ」
「どうしてですかっ!」
シゲが弾かれたように体を起こす。
「違うって。シゲ、どうせ気ィ使うだろ? 来いって言っても。他の店に行かれるのやなんだよ。シゲの髪は俺が整える。他の誰にもシゲの髪を触らせたくないんだって。だから、店じゃなくて会った時にさ、ここでもいいし、俺のアパートでもいいし……」
「夏輝っ!」
ドン、と巨体がのしかかる。
「潰れる! 潰れるって!」
「あ、あ、すみません……。夏輝……大変です……また、大きくなってしまいました……」
とんだマッチョを好きになってしまった。でも後悔はしていない。
俺はシゲと一緒に生きていく。
「俺もだよ。シゲが欲しくて堪らない」
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