第1章

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「うわっとと」 真っ白い立派なおひげをたくわえたおじいちゃんが真っ赤なズボンをはくのに失敗して、どすんと尻餅をついた。 それを見ていた暖炉の前のロッキングチェアでコーンスープを飲んでいたトナカイが盛大にため息を吐いた。 「もう~。なんで毎年そうなのさ。せっかく夏から伸ばしたおひげをうっかり、そってしまうし、ソリにワックス塗るつもりが石鹸ぬってるし、僕がいないのに昨日は勝手にクリスマスプレゼント配っちゃうし……。クリスマスイブは明日だからね!今日、そんなにあわてなくてもいいんだならね!」 サンタのおじさんは、ほほをふくらませる。 「だって、ワシ、おっちょこちょいだもの。いきなりクリスマスだけプレゼント配れって失敗するもん」
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