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鵺が珍しく深刻な顔で黙している亜緒を見て口を開いた。
「心配するな。亜緒は鵺が護――」
ノコギリの前で口を開いてしまったのは迂闊だった。
鵺の口の中にケチャップカレーのスプーンが否応無しに突っ込まれる。
「お味はどうかしら?」
悪戯に興じる子供のように、ノコギリの笑みは無邪気だ。
顔を真っ赤にして洗面所へと駆けていく鵺を見て、ノコギリは口元を袖で隠しながらも愉快そうにコロコロと笑うのだった。
鵺とノコギリは仲があまりよろしくない……らしい。
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