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「本当に、君には儲けさせてもらったよ。次々に画期的な健康食品や美容商品を作って大ヒットさせたんだからね! この前も、」
長く話し出しそうな社長の言葉を理緒が遮る。
「お父さん、黙って! 僕はこの人と話がしたい。マシーンって、その中に入ると不老不死になれるって事だけど本当なのか?」
口を開くと儚げに見えた少年のイメージは一転する。高飛車で無礼な小さなモンスターのようだ。
「理論上はね。簡単に言うとマシーンの中に入り、遺伝子に働きかける物質を浴びる事で、老化が阻止されるんだよ」
「簡単に言ってくれなくて構わない」
「遺伝子には、老化したり、病気をするといった、遺伝子が存在するのは知ってるかい? そのプログラミングを変えさせる物質をマシーンの中で浴びる訳という訳だ」
「そのマシーンは、いつ完成する予想だ? 僕の成長を止める事も可能か?」
「可能だよ。遅くて10年、早くて5年と言った所かな」
「遅い! あと3年で完成させろ!」
当時11歳の理緒は初対面の博士に、そう命令した。
「こらこら、理緒、いい加減にしろ。そんな口の聞き方をするんじゃない」
「お父さん、この人の研究所を買って!」
「理緒!?」
社長は驚いた声をあげて2人を交互に見た。
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