記憶に残るキスの味

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二次会に出席予定のメンバーとは途中で別れ、駅までの道のりを一人で歩く。 どうして出席しないのかと聞かれたけれど、もういいだろう。もう十分だろう。 怪しまれないように、あいつの顔潰さないように、ちゃんと出席してやったんだし。 顔を上げると道の先に駅ビルを兼ねた大きな商業施設が見え、その奥に大きな赤い観覧車が見えた。 休日のためか、人通りは多い。 十一月にしては暖かい、晴天に恵まれた佳き日。 別れ話が余りにも、あっけなくて。 だけど本当にその後、彼からの一切の連絡はなくて。 悪い夢を見ているようだった、この三ヵ月。 西原さよ、二十六歳。 本当に失恋したのだと、今日やっと、身に沁みました。
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