ようこそ、ボランティア部へ

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 「だいたい、俺は学校の人気者になりたいと言ったんだッ! 女子からキャーキャー言われて、男から羨望の眼差しで見られるモテ男にッ! なのに、全然話が違うじゃないか!」  「んなことねーだろ。女子からキャーキャー言われてたし、生徒からも物珍しそうに見られてじゃねーか。明日からお前は人気者だ、おめでとう」  「それは悲鳴だろ!? 何がおめでとうだ、人気者どころかただのド変態じゃねーかッ! なんなんだお前は! もういい! 俺が相談したのが間違いだったよ!」  どうやら、俺のプランがお気に召さなかったらしい。  アフロ男は、散々怒鳴り散らした後ガックリと肩を落とした。  「しかもこれから、生活指導の山崎先生から説教かよ……最悪だ……」  さきほど、アフロ男を怒鳴った生活指導の山崎は、校内でもっとも怖いと言われている人物だ。たぶん、とんでもないお仕置きが待っていることだろう。  負のオーラを発しながら立ち去ろうとするアフロ男に、俺は声をかけた。  「あ、その服とアフロとグラサン。ちゃんと演劇部に返しとけよ!」  「うるさいなぁぁ! 返すよ返せばいいんだろ!? ああ、疲れた……もうイヤだ……」  この後アフロ男がどうなったかは、知らないほうがいいだろう。  ◇  「――で、何か言うことはあるかしら?」  旧校舎の一室。窓から強い日差しが差し込むこの部屋で俺――八神飛彩は、目の前に座る女子生徒に睨みつけられていた。  「依頼は無事に解決した。存分に俺を褒めろ」  「褒める前に、まずあなたの頭を何とかしないといけないみたいね」  そう言って、神楽坂皐月はこめかみを抑えた。  「八神くん、ここがどういう部活かちゃんとわかってるの?」  「当たり前だろ」    ここ、『ボランティア部』は学校の清掃やイベントの手伝い、また生徒が抱える悩みを解決するのが主な活動だ。  そして、俺に説教をしている神楽坂こそ、この部活の部長なのだ。  
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