RED GODDESS

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RED GODDESS

 この感情に名称を付けるとしたら、どんな名称にすればばいいのだろう?  恋と呼ぶには美しすぎて。  一目惚れというほど俗世的ではないし、  君臨と言うほど、権力的でもない。  深紅の薄いヴェールを頭巾のように被り、白い花畑で眠る少女。  この花々を溶かしたような、真白いビスクの肌に、熟れた林檎のように赤い頬。長い薄金の睫毛に縁取られた目蓋は閉じている。そこに隠す瞳という硝子玉は、どんな色をしているのだろう?考えるだけで、僕の鼓動が早くなる。刺繍とレースをあしらった紅と白のエプロンドレスは少女が少女である証のように愛らしく、そこから垣間見える小さな手は、繊細な彫刻のようで、握ったら壊れそうだった。  ヴェールと共に春風に靡く長い薄い金色の髪は欠片ほどのくすみもなく、無垢という言葉がよく似合う。  神秘、神聖、崇高、至高、純粋、純潔。  其処に居るのは、天使なのかと思った。  触れることなんてできなかった。  直視することすら畏れ多い。  食べるなんて、以ての外。  すべての小鳥と蝶々がうたう春の日、  僕は世界で一番美しい少女と出逢った。
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