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朝ごはんを作るのはいつもの事で
可愛こぶった笑顔を添えるのもいつもの事。
だからって何か求めてる訳でもない。
なんとなく、いつからか決まったお決まりの別れ方。
またどこかで会った時に笑いかけてもらえれば嬉しいってくらい。
でもありがとうって言ってもらったのも
部屋の鍵を渡されたのも
いってらっしゃいを言ったのも
初めてかもしれない。
こんな得体の知れない餓鬼に部屋を預けるなんてバカじゃないの。
なんかしてやろうかなって部屋を見渡してから、ふと思い出す柊斗さんの顔。
大人っぽい顔してるくせに笑うと鼻筋がくしゃっとなって、ちょっとキュンとするような、笑顔。
もう一度
もう一度だけあの笑顔が見たいなって
ただそれだけの理由で作ってしまった夕飯。
また美味しいって言ってくれるかな?
いやそれ以前に怒られないかな?
また勝手に冷蔵庫のモノ使った事も、まだここに居る事も。
「あー。早く帰ってこないかなぁ」
誰かを待つなんてした事なかった。
そわそわしてドキドキして
でもちょっと不安で。
楽しくて仕方ない。
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