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「ご馳走様でした」
柊斗さんはやっぱり喜んで綺麗に食べてくれた。
誰かが自分の作った料理を食べてる所なんて初めて見たかも。
今までは作ったらそのまま帰ってたから。
テーブル越しに目が合うと少しだけ笑って「ん?」って聞いてくれる顔がなんかかっこよくて何度も柊斗さんを見た。
5回目くらいで「なんだよ」ってデコピンされたけど。
二人分の食器を洗い終えたら楽しかった時間ももうおしまい。
「じゃあ、俺そろそろ帰るね?」
「あー、おう」
帰る場所なんて、ないのに。
ポケットに手を入れると指先に触れた冷たい感触
「あ、そうだこれ、」
借りっぱなしだった鍵を返そうと差し出すと
「いや、いい。持ってて」
そのまま掌ごと押し返された。
「持ってていいよ。いつでもおいで。」
「……っ」
何言ってんの、この人…
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