第1話

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「…え、いや…は?」 なに、言ってんだこの子… 「んー、じゃあ言い方変える。ヤラらせてあげるから一晩泊めてくれない?」 いや、言い方の問題じゃねえだろ… 「だめ?」 だめっつーか… だめだろ。 「見た感じすげえ若いし、そもそも男だろ?俺もお前も」 「あー、おにーさん男とシた事ないんだ?へーきへーき俺じょーずだから」 「ちょ…、いやそーゆう…」 そーゆう問題でもねえし…。 「ねえ、おにーさん名前は?」 「……柊斗」 「しゅーとさん。家どっち」 「…あっち」 「よっしゃ」 …あれ? 俺なんでこんな変な奴に個人情報教えてんだ? 酔ってんのか? そうか、酔ってんのか。 …なら、いーか。 なんて。 あの時の俺は多分、普通のテンションじゃなくて。 とにかく孤独を、感じたくなくて。 誰でも何でも良かったんだと、思う。
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