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モルファット星人は和弘を円盤の中に迎えた。
和弘は彼らの要求を呑むことにした。少しばかりやけになっていたのかもしれない。
とにかく、この世界から逃げ出したかった。自分の居場所は地球上のどこにも残されていないような気がした。
だが、あるいは宇宙ならーー。
和弘はあちこちの惑星で「細雪」を歌った。どの星でも熱烈な歓迎を受けた。「細雪」は彼を除くあらゆる生命体にとっての福音だったのかもしれない。彼も今では歌うことが苦痛ではなくなっていた。
もしかすると自分は、この歌を歌うためにこの世に産まれてきたのではないか。
ならば、その運命を受け入れるべきなのかもしれない。
それにしても、和弘に「細雪」を与えてくれた、あの老人は何者だったのだろう?
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