細雪

5/6
前へ
/26ページ
次へ
次の瞬間、部屋はまばゆい光に照らされた。アンジェリカは顔を覆い、ベッドに潜り込んだ。 部屋のドアが開かれ、屈強な男たちが次々と入ってきた。ボディガードが待機していたのだ。 部屋の窓が自然に開いた。ちょうどその窓と向かいあう形で座り込んでいた和弘に、強烈な白い光線が浴びせられる。彼の身体はその光に包まれ、殆ど見えなくなった。 窓に向けてボディガード達が拳銃を発砲する。だが、その弾丸は光の中に入ると力を失い、落ち葉のようにふわふわと地面に落ちてしまった。 次第に光が和らぎ、円盤状の銀色の物体が現れた。 しばらくすると円盤に黒い長方形が現れ、そこから人型生物が出てきた。ひどく目が大きく、毛髪は生えていない。緑色の、全身をすっぽりと包み込むボディースーツを着ている。 「我々はモルファット星人」人型生物は流暢な日本語で言った。 「SASAME-YUKIを我々の故郷でも歌ってほしい」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加