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「嫌だ。俺は昼寝の方が好きなんだよ」
相も変わらず、つれない態度のアレク兄ちゃん。いつもこうなんだよ。ひどいと思わない?
そんなある日、大変なことが起きたんだ。
ぼくはいつものように、おうちで留守番をしてた。すると、外から他の犬の匂いが!
大変だ! よその犬が来てる!
それだけじゃないんだ。アレク兄ちゃんの匂いもしてるよ! ひょっとしたら、アレク兄ちゃんがよその犬と戦ってるのかもしれない!
ぼくはワンワン吠えながら、外に飛び出そうとした。すると、首輪がスルッと抜けたんだ。
やったぞ! ぼくは大急ぎで、匂いのする場所へと走る!
すると、そこにはとんでもない奴がいたんだ。
ぼくのおうちの前では、でかい犬がじっと立っている。今まで見たことも無い奴だ。
でも、それより大変なのは……その犬と睨み合ってるのが、アレク兄ちゃんだってことだよ!
「しゃー!」
アレク兄ちゃんてば、あんな大きな犬を相手に一歩も引いてないんだよ! しかも、その後ろには小さなメス猫がいる。アレク兄ちゃんは、あの猫を守ろうとしてるんだ!
「おい、お前! アレク兄ちゃんに手を出すな!」
ぼくは、アレク兄ちゃんと犬の間に割って入った。すると、でかい犬はぼくを睨みつける。
ううう、すっごくでっかい。ぼくより強そうだ。でも、アレク兄ちゃんを助けるためだ! お前なんか怖くないぞ!
「こら、お前! アレク兄ちゃんをいじめるなら、ぼくが相手になるぞ!」
でかい犬を睨みながら、ぼくはワンワン吠えた。すると、でかい犬はフンと鼻を鳴らした。
「なんじゃ、お前は」
でかい犬は、バカにしたような目でそう言った。なんて失礼な奴なんだ。
「ぼくの名前は、シーザーだ! バカにすると、噛みついてやるぞ!」
吠えると同時に、ぼくは突撃しようとした。
すると、どこからか走って来る人が!
「ヨーゼフだめでしょ! 勝手に走って行ったりしちゃ!」
言いながら、走って来たのは小さな女の子だ。
ぼくの目の前で、女の子はでっかい犬を連れて、どこかに行ってしまった。マコトさんより小さい女の子なのに、あのでっかい犬の綱を引っぱっている。でっかい犬は、おとなしく従ってるんだよ。
ぼくは、おったまげて見ているしかなかった。
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