曇りのち雨、ところにより猫

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純平は耳をピンと立てた。 ――男に雷が? 「ああ。意識も戻ってないって聞いたけど」 「雷ってやっぱり怖いよね~」 僅かに震える仕草をした後、女は上着を脱ぎ始めた。そのまま下に来ていたインナーも脱ぎ、ミニスカートをまくり上げて露わになった太ももをタオルで拭う。落雷と男の話の続きが気になっていた純平だが、全て吹っ飛んだ。 照れたように視線を外した誠司に、女は悪戯っぽく「ヤりたい?」と笑う。 その展開に眩暈を起こしそうな純平だったが、誠司は傍にあった自分のパーカーを女の肩にぱさりと掛けた。 「意味わかんね」 「ん~、だめか。……サンキュ。コレ借りるね」 女はパーカーを抱えて、少しだけ寂しそうに笑った。 ――勿体ない! 抱けよ誠司、抱いちまえよ。 純平はついつい興奮し、二人の足元でミャーミャー鳴いた。 「あれ? セージくん猫なんか飼ってた? 踏んじゃうとこだった」 「拾ったんだ。ちょうど雷落ちた辺りで」 「へぇー、セージくん優しいなあ~。名前は?」 満面の笑みで女は純平を抱き上げ、チュッと鼻先にキスをした。眼下でブラジャーからはみ出しそうな胸がプルンと揺れる。純平の毛がゾワッと逆立った。 「ちくわ」 「ヤダ変な名前」 「竹輪みたいだろ。白地で背中がこんがり焼き色で」 「ホントだ」
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