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「あなたの水着姿こそ、大胆ですけどね」
胸の谷間が黒の水着に映えていて、目のやり場に困る。
「どぉ?似合う?」
ゆう子さんが手を広げて、水着を見せる。
ウエストのくびれからお尻のラインは目が吸い寄せられるほどきれいだ。
「似合ってますよ。あなたの良さが目立ちます」
「本当?うれしい」
ゆう子さんの目がくらむほどの極上の笑み。
「俺だって、本当は・・・」
誰にも見せたくないですよ。
俺も川原さんのことは言えない。
男達がゆう子さんを盗み見る。
見たくなる気持ちは分からないでもないけど、腹立たしい。
「ね、私たちも行こう!!」
ゆう子さんが、俺の腕に飛びつく。
ちくしょう、かわいいな、もう。
「胸、当たってますよ」
照れ隠しにそんなことを言ってみるけど、既に頬が熱い。
「早良くん、泳げる?」
ゆう子さんはそんなことお構いなしだ。
「まぁ、一応は・・・」
「私全く泳げない!」
「そうだと思って、浮き輪を借りておきました」
「さすが!!」
まぶしすぎる笑顔を惜しげもなく振りまく。
ゆう子さんは長い髪をささっとアップにして、プールサイドに腰掛けた。
先に水の中に入った俺に、
「深い?足はつく?」
と、心配そうに聞く。
プールに行こうと言ったのは、ゆう子さんなのに、可笑しくて笑いがこみ上げた。
「大丈夫です。ほら、ゆう子さん、入ってきて」
腕を広げてあげると、その中にゆう子さんが飛び込んできた。
「ほら、大丈夫じゃないですか」
俺の腕に捕まっているゆう子さんは、不安げに俺を見上げた。
「手ぇ、離さないでね」
「分かりました。離しませんから、安心してください」
何なんだ、このかわいい生き物は。
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