#35 ゆう子

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次の平日で、美羽ちゃんと二人きりのシフトになった。 「美羽ちゃん、この前はほんっとーにごめんね。」 パンッと顔の前で手を打ち合わせ、謝るポーズを作る。 「ゆう子さん、気にしないでください。私こそ、ゆう子さんが体調悪いの気づかずに、自分の話ばっかりして・・・」 美羽ちゃんはすまなさそうに言う。 「いやいや、違うよ。ほんとに迷惑ばかりかけてしまって・・・」 更衣室を出て、ホールへ向かう。 「美羽ちゃん、早良くんに連絡してくれたんだね。ありがとうね」 準備をしながら話す。 「あ・・・えっと・・・」 美羽ちゃんが何か言いたげに作業の手を止めた。 「気を遣わせちゃったね」 「いや・・そんな・・・」 ろくに話も出来ないまま、お客さんがまばらに入り出す。 今は、バイトに集中しなくちゃ。 急いで頭を切り替える。 平日の忙しい日に当たってしまったみたいで、何も考えずに動けるのは、身体は疲れるけど、ありがたかった。 「ねぇ、ゆう子さん。早良くんのことですけど・・」 美羽ちゃんが遠慮がちに切り出す。 バイトが終わって、更衣室で着替えているところだ。 「うん・・・もう、いいんだ」 これ以上、早良くんを振り回してはいけない。 「早良くんって、ゆう子さんのこと好きですよね?ゆう子さんは違うんですか?」 美羽ちゃんが鋭く核心をつく。 「・・・だってさ・・・」 あぁ、もう、弱音を吐いてしまいそうになる。
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