#36 るい

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ゆう子さんも俺に気持ちが向いてると思っていたのに。 「ゆう子さん、最近、おかしいんだよ。よそよそしいなと思ったら、避けられるし、理由聞いても教えてくれないし・・・もう、フラれたようなもんだよ」 「・・・避けられてる?」 「3人で飲んだちょっと後だったかな?家に来なくなったし、誘われなくなった。頻繁に行き来があったわけじゃないけど・・・俺の気持ちに気づいてるっぽいんだよな。だけど・・・」 はぁ・・・とため息をつく。 「もしかして・・・」 龍太の顔が青ざめる。 「・・・どうした?」 「俺・・・余計なことを言ったかもしれない」 龍太がでかい図体で泣きそうな顔をする。 龍太はあの日、俺のことが本気でなければ、期待させないでくださいとゆう子さんに言ったそうだ。 「なんでそんなこと・・・」 龍太がでかい身体でおろおろと説明する様子を見ると、怒りたい気持ちがそがれてしまった。 「だって、いつか、離れ離れだろ?」 龍太が悲しそうに言う。 「・・・龍太。俺、行くわ」 バイクの鍵を掴む。 「お前、飲んでるだろ?」 「あ、そうだった」 「落ち着けよ。俺、飲んでないから、後ろに乗れよ」 龍太が、立ち上がり、俺が握っていたバイクの鍵を奪い取り、テーブルの上に置く。 「いこーぜ」 俺のヘルメットを脇に抱え、部屋を出ていくのに、俺も続いた。
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