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「わぁ、ゆう子さん、素敵ー!」
プールに着いて、更衣室で水着に着替えているときに、私の水着姿を美羽ちゃんから大絶賛された。
「後で、一緒に写真撮ってくださいね」
「いいね、みんなで一緒のも撮りたいな」
思い出は多いほうがいい。そんな気がする。きっと、来る留学時期に心を支えてくれるのだと思うから。
「いいなぁ、早良くん」
ニコニコ顔の美羽ちゃん。屈託のない笑顔。
「早良くん、いいなーってどういうことよ」
意味はわからなくもないけど、思わず苦笑する。
「だって・・・毎晩・・・」
「コラコラ、美羽ちゃん。」
「はっ!すみません。つい・・・」
「美羽ちゃんこそどうなのよ」
「やだ!内緒です!恥ずかしい!!」
美羽ちゃんの頬が真っ赤になる。初々しいなぁ。女から見ても美羽ちゃんはかわいい。
「その様子だと上手くいってるんだね」
付き合ってまもなく美羽ちゃんから、川原くんのことを相談された。
私はよく、性の悩みを相談される。私の見かけがそうさせているのか、私自身がそういうことにあまり偏見がないせいか、割とみんなあけすけに話してくれる。
美羽ちゃんも、川原くんとのことで、身体の変化に戸惑っていて、不安に思っていたらしい。
好きな人と一緒にいる。
好きな人とセックスする。
好きな人と共に生きる。
私が今まで望んでいても、手に入らなかったものたち。
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