#45 ゆう子

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男の子達と待ち合わせた場所へ二人で向かう。 「ねぇ、ゆう子さん、幸せですか?」 美羽ちゃんがキラキラした目で私に聞いた。 「・・・・まぁね」 「ラブラブですか?」 「美羽ちゃんたちには負けるよ」 やだもー、と美羽ちゃんは照れくさそうだ。 本当に幸せそう。 「あれ?まだかなー?私たちの方が早かったんだね」 男の子達はまだ来ない。 美羽ちゃんが、 「ほんっとに、ゆう子さんってスタイルいいですよね」 ため息交じりに褒めてくれた。 「美羽ちゃんこそ、華奢だよね。抱きしめたら折れそう」 「折れないですよー、結構頑丈ですよ」 「どれどれ」 白いワンピース型の水着を着た美羽ちゃんに抱き着く。 「きゃー、おっぱい当たってる!柔らかい!」 美羽ちゃんが恥ずかしそうに両手で顔を覆っている。 「美羽ちゃんこそ、なかなかの身体つきですな。ウエストほっそい!!」 美羽ちゃんのウエストを両手で掴む。 「・・・何やってるんですか」 早良くんが呆れたように言いながら、こちらに来た。 相変わらずいい身体をした早良くん。やっぱり着やせするタイプだ。 「日高さんが喜びそうな絵面じゃなですか」 「汐ちゃんはボーイズラブが好きなんだよ」 まぁいいけど、と早良くんは呆れたように言う。 夏が終わったら、私は旅立つ。 今は思いっきり楽しむ。 今日も、明日も。
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