640人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?何?」
神崎さんは、さらに川原さんを覗き込む。
「え・・っと・・・・・」
川原さんはその穢れなき目から逃げるように目を逸らしながら、
「ちょっと・・・・・スカートが短すぎるんじゃない?」
と言った。
ゆう子さんが俺の方を見てきて目が合い、二人でぷっと噴き出してしまった。
「やだぁ!川原くん、思春期の娘を持ったお父さんみたい!」
ゆう子さんが、ケラケラ笑う。
「え?もしかして水着?短いかなぁ?」
神崎さんは目をパチクリさせて、水着のスカートを指先で摘まんだ。
「美羽!めくらなくていいから!」
川原さんが焦って慌てている。
「え?どうしたの、雄聖」
「いや、なんでもないんだけど・・・」
キョトンとした神崎さんと、思ったことがすべて顔に出る川原さんのやり取りを温かく見守った。
年上の二人だけど初々しく見えて、微笑ましい。
「もー、なんか、ごちそうさまって感じだよね」
ゆう子さんがクスクス笑いながら、俺に言う。
「神崎さんに上着を着てほしいって言えないんですよ、川原さん。あんまりうるさく言って嫌われたくないから」
「ぷふっ!!美羽ちゃんの水着、そんなに露出高いわけじゃないのね」
ゆう子さんと二人で、前を行くバカップルの後ろを歩きながら会話する。
最初のコメントを投稿しよう!