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キイズ本宅の1F。玄関脇にある応接室で、丸テーブルを囲む。
何だか冬休みの課題研究を友だちの家で、最終追い込みをしているみたい。そんなに楽しい雰囲気でもなく、でも、4人で目標に向かってる雰囲気。
収穫後の調査データの集計作業と通常業務が重なり、年末まで多忙となる。
こんな時期に他の仕事なんてやる余裕はない。
皇妃が新年イベントを手伝ってくれなければ、丸ごと全部欠席だったろう。
リーナは、ちらりと時計を見る。
「あ、5時過ぎてる」
ツガモ、ミヤギ、ヨコシマの3人が、一斉に顔を上げて時計を確認する。
「あ、ほんとだ」
ツガモが言う。
「終業の鐘がないと、不便だわ」
ミヤギが言う。
ヨコシマはてきぱきと片付け始める。
「あっと、この本、置いてっていいですか?」
「うん、この部屋使わないから、いいよ」
リーナが不自由な足で立ち上がる。
玄関が急に騒がしくなる。
「あ、帰ってきたかも」
リーナが歩行補助器具をつかんで、玄関に向かう。
「明日もお願いね」
「今日はありがとう」
部屋を出ていく。
「宮様かなぁ」
姫の様子から、ヨコシマが推察する。
「え、ここに帰って来るの?」
ミヤギの目が輝く。
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