いつか聖夜に

12/19
前へ
/19ページ
次へ
「ルドルフ、プレゼントを作った余りの木はないかな?それと、絵の具が欲しいのだが…。」 「小人さんのところに行けばいくらでもあると思いますが…そんなもの、どうするんです?」 「ちょっと、作りたいものがあるんだ。」 そうです、あのオモチャはサンタさんが作ったものだったのです。 お仕事の休憩中や終わったあと、大きな手の、まあるい指先で一生懸命。 こんなことをするのは初めてだったから、色ははみ出すわ窓は歪むわ… ドアには、ノブを描き忘れる始末。とても上手いと言えるものではありません。でも…。 「これでよし。」 サンタさんは満足げに微笑みました。 ええ、これくらいがいいのです。ニコにとって、プレゼントはあくまで“年”なのですから。────
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加