いつか聖夜に

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「サン…タ…さん?」 思わず吐いた息が窓に当たってその姿が見えなくなると、ニコは慌てて凍り付いた窓を力一杯押し開けました。 「やあニコ、初めまして。 今夜は夜更かしだね。煙突からけむりが出ていたから、今日は窓からと思ったんだが…。」 ちょっぴり照れ臭そうに笑うその人は、サンタさんでした。 「ああ…ああ…どうしてここへ?どうして僕なんかのところへ…。」 ニコは震える手を自分の胸で重ねます。 「だって僕は、あんな手紙を…さようならって…とても勝手なことをしたのに。」 胸の手は、泣き出してしまいそうな顔を覆い隠していました。 サンタさんはうん、うんと頷いて、苦しそうな顔をしています。 それはやがて悲しそうになって…そして、意を決したように話し始めるのです。 「ねえニコ、君は私からの最初の手紙を覚えていてくれたんだね。 だから、今日まで頑張ってきた。一つずつ年を重ねながら、たくさんの失敗をしながら。 ああ、ニコ…私も、君に謝らなくちゃいけない。 私は手紙に、大切なことを書き忘れてしまったようだ。それがあれば、君がこんなに苦しむことはなかったかもしれない。 ごめんなさい、ニコ。ごめんなさい。」 サンタさんの大きな手が白髪の頭をそっと撫でると、ついにニコは声を漏らして泣き出したのでした。
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