16人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、もう!また居眠りですか?もしもし…もしもーし!」
耳元でルドルフの声がしています。目を開けると、そこに真っ赤な鼻はありません。
「また鼻をかじられてはかないませんからね、今度は横から起こすことにしました。」
ちょっぴり偉そうに胸を張るルドルフにくすりと笑うと、彼は手に握ったままの一通の手紙に目をやりました。
ああ、あのまま眠ってしまったのか…そんなことを思いながら、もう一度手紙を開きます。
自分が、こんな手紙を受け取る日が来るなんて…。
だから、あんな昔の夢を見たのでしょうか。
“サンタさん、ぼくはサンタクロースになりたいです!”
その元気な文字は希望に満ちていて、まるであの日の自分のようです。
「さて…どうしてあげたものか…。僕はあの人よりも不器用だっていうのに。」
最初のコメントを投稿しよう!