いつか聖夜に

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小さな独り言を聞き付けて、ルドルフが懐かしそうに言いました。 「アチラのサンタさんに作り方でも聞きに行きましょうか。ボクも久し振りにお会いしたいですし。 あなたのことを頼んだよと“配置換え”をされてから、もうずいぶん経っていますからね。それに一度、南半球に行ってみたかったんですよ。」 「なにを言っているんだい、ルドルフ。こんな忙しい時に会いに行けるわけないだろう?サンタさんだって、きっと困るよ。」 そう言った僕を、周りで手伝ってくれていた皆が声を上げて笑いました。 ルドルフの、お兄さんのような声が聞こえてきます。 「なにを言っているんですか。ニコ…あなただって、サンタクロースなんですよ。」 そうして、今年もクリスマスイブがやって来ました。 Ho-Ho-Ho!ソリが夜空へ滑り出します。 Ho-Ho-Ho!サンタが町にやって来る。 Ho-Ho-Ho!君を、笑顔にする為に。
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