いつか聖夜に

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────たくさん届いた子供達の手紙を、サンタのおじいさんが楽しそうに読んでいます。 あんまり多いので、 ルドルフや他のトナカイ、小人達も封を開けたり、欲しいプレゼントをメモしたりと、お手伝いに大忙し。 そんな日が何日も続くと、朝方には皆ウトウト。 それでもサンタさんは眠い目を擦りながら読み続け、ついに、袋には最後の一通が残るだけになりました。 「君が最後の子だね。さあ、どんなプレゼントがお望みかな?」 そう言って開いた手紙に、サンタさんは目を丸くしました。そして、すぐに穏やかに微笑みます。 「さて…どうしてあげたものか…。」 よほど疲れていたのでしょう。そう呟くと、サンタさんは細めた目を閉じて眠ってしまいました。 忙しい日々が過ぎ、たくさんのオモチャや絵本の用意が調えられました。 ソリも美しく塗り替えられ、トナカイ達の体調も万全です。 そうして、待ちに待ったクリスマスイブの夜…。 Ho-Ho-Ho! サンタさんの笑い声を合図に、ソリは夜空へと滑り出します。皆のところへ、プレゼントを届ける為に。
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