16人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
その頃、窓から空を見上げる子供達をよそに、早早とベッドに潜る男の子がいました。
名前はニコ。あの、サンタさんを驚かせた手紙を書いた子です。
“早く寝ない子のところには、サンタさんは来てくれないのよ”
そう言ったお母さんの言葉が効いたとみえて、イブの夜は誰よりも早くお部屋へ向かうのです。
サンタさんへのお礼のミルクとクッキーの下に、また一通、手紙を隠して。
“サンタさん、来てくれてありがとう。朝、目が覚めたら、僕のお願いが叶っているといいな。”
その小さな手紙は、夜のうちに真っ赤な服のポケットに入れられ、ソリに乗って行きました。
Ho-Ho-Ho!
ご機嫌な笑い声を、辺りに響かせながら。
最初のコメントを投稿しよう!