いつか聖夜に

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「いたた…あは、あはは!やったぞ、プレゼントだ!」 そう笑って、床から立ち上がることもせず、靴下の中へ手を突っ込みます。 取り出したのは…小さな包みと、一通の手紙でした。 “サンタクロース”とサインがあります。 ニコは一度、胸に手を当てて深呼吸をします。そして、そっと手紙を開きました。 “やあ、ニコ。君の欲しがっていたものを届けに来たよ。 君は一度にたくさん欲しかったみたいだけれど、プレゼントは一つしかあげられないんだ。でも、ちゃんと届けたからね。 一緒に入れた小さな包みを開けてごらん。君へのプレゼントは目に見えないものだから、ちゃんと届けた証しにそれを贈るよ。” 包みの中には、小さなお家が入っていました。 指で摘まめるほどの大きさで、不器用に屋根が塗られ、歪んだ窓とドアが描かれた、積木のようなお家です。 「ふふ、サンタさんったら…これじゃあ、プレゼントは二つじゃないか。」 そんなふうに笑いながら、ニコはそのお家をきゅっと握り締めて呟きました。 「サンタさん、ありがとう。」
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