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その年から、ニコとサンタさんの秘密の文通が始まりました。
年に一度、ニコが送った手紙へのお返事が、靴下に届くのです。小さな木のオモチャと共に。
“サンタさんへ──今年も同じプレゼントが欲しいです。
昨年約束した通り、僕はたくさん本を読みました。
でも、学校でガリ勉なんて言われて、頭に来てケンカをしてしまいました。もうあんなやつ、友達じゃないよ。”
“ニコへ──今年も一つ、届けておいたよ。
ケンカは悲しい出来事だったね。仲直りは出来たかな?
また君とその子が一緒に笑うには、どうしたらいいだろうね。ニコはどう思う?私に教えてくれないかな。”
“サンタさんへ──昨年の宿題の答えは、いっぱい考えたけれど、うまく出せませんでした。
でも、あいつとは今も友達です。あれから何度もケンカをしたのに、その度に大嫌いになるのに…とっても不思議です。
仲直りのコツをサンタさんに教えられなくてごめんなさい。プレゼントは、いつものだよ!”
“ニコへ──君達はもう、仲直りの名人だね。
そうして、たくさん考えるといい。
そうしたら、もっといろんなことがわかるだろう?また、君の話を聞かせておくれ。いつものを届けておいたよ。”
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