天は人の上にラーメンを作らず……以下略  ガンジー

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3.  ずびずばー!  雷鳴轟くかの如く、豪快に麺を啜るラーメンさん。 「ふむふむ、スープに黒マー油を浮かべて、コクを出してるわけね。モダンだねぇ」 「ラーメンさん。確かにコクは、十全ですが、肝心のスープの色が濁ってしまって、ぼくは好きにはなれません」 「いつも見た目気にするんだね。これだからメンズは。うん、まあいいよ。ヱンがそう言うなら、ここは一つ星ってことで折り合いをつけようね~」  こうやって彼女はいつもぼくを理解してくれます。人に言えないような、ぼくのやましい秘密を知っても側にいてくれます。  ぼくが腹八分で替え玉をしようか迷っている横で、ラーメンさんがレンゲをどんぶりに見立てて、ちっこいミニラーメンをそのレンゲの中で作って遊んでいる時です。  街のどこかで『カーンカーンカーン』と警鐘が大音量で鳴り響き、店舗の……恐らく上空から剣呑なヘリの轟音、そして強い風が小さなオンボロ店を揺らします。  店内はパニックに陥り、「噂は本当だったんだー。空襲だ逃げろ」と店内の客は三々五々、蜘蛛の子を散らし逃げ始めます。  ぼくとラーメンさんが店舗の外へ出て空を仰げば、遥か上空より次々と小火器を携えた迷彩服の男たちが、螺旋を描きながら、パラシュートで降下して来ました。  やつらです。宿敵コレステロール警察。  降下し終わったその数、凡そ十。多勢に無勢。ヘリ風にラーメンさんの長い髪の毛が靡き、表情を見ればやはり緊張しているようです。  
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