1 プロローグ

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わたしは、普段、会社とワンルームの賃貸マンションの往復以外、滅多に外の街を出歩くことはしない。その理由は、外出をすると、目に飛び込んできたお菓子(主にケーキや駄菓子、ポテチ)やハンバーガーなどを食べたい!と思ったときにその時の勢いに任せて食べてしまうという点が一点、それと外出しないもう1つの理由として挙げられることは、常に憂うつで外出する気力が無いというのが本当の理由なのかもしれない。憂うつなときは、決まって部屋でゴロゴロしながら読書をしているか、ゲームをして気を紛らすかのどちらかだ。読書に思考を向けているときには、嫌なことを忘れ、心の中に閉じ篭って本の世界に入り浸っていられるのでとても心地よい。特に今のわたしと同じ心境の主人公に感情移入をすることは、わたしにはとても面白いものに思われた。また、わたしは、自己啓発ジャンルの書籍にも興味があり、時間があればその本を読んで脳の肥やしとしていた。その本を読むと、外出が億劫なわたしとは真逆の外出好きのわたしに豹変することが出来た。本を読み、その本に書いてあることに忠実に行動する。わたしはその行動を意識的にチャレンジしてみる決心に出たのだ。しかし、本に書いてあることを、すべて実践することは、簡単なことではない。一挙一動すべての行動に対し、制限をされ、それを実践すれば、それはもはや自分ではなくなってしまう。別の誰か...まぁ、仕事もこれに似ているからその訓練ってことなのかな。 話が長くなってしまって申し訳ない。今まで外出できない理由というのを延々と述べてきたわけだが、真の理由とでも言ったらいいだろうか、第三の理由が有り、その理由により生活が脅かされていたのだ。今まで誰に話しても信じてもらえないだろうと高を括っていたのでこの新事実を公表することを今までわたしは拒んできた、誰かがわたしの背後を四六時中365日付回しているのだ。
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