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「ご、ごめん、攻めてるわけじゃないんだよ」 わかってる。 景樹さんは、人のことを攻めたりはしない人。 もちろん、よほどのことがあれば攻めることもあるかもしれないけれど...。 「ただ、こんな大切なことに気付けなかった自分が情けなくなっただけなんだ...」 ...大切なこと? 「美咲ちゃん、美咲ちゃんのお腹の中には新たな命が宿ってるんだよ...」 それって... 「順番が逆になっちゃったけど...美咲ちゃん、僕と結婚してください。そして、僕と美咲ちゃんとお腹の中の赤ちゃん、3人で幸せな家庭を築こう」 そっか...体調悪かったのは赤ちゃんがいたからなんだ。 そして...今、私は景樹さんにプロポーズされたんだ。 景樹さんとの未来を私は夢みていた。 だけど、景樹さんが私を好きな気持ちより、私が景樹さんを好きな気持ちの方が大きい自覚はあったから。 それを切り出すのもきっと私からになると思っていた。
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