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「だから、付き合ってる当時も、結婚する時も、お金は俺より彼女の方が持っていたよ」 まぁ、仕事柄もあって、貯金は趣味みたいなものだったしね。 「お金もあって、美人で、明るくて...そんな彼女はどうして、俺なんかを選んでくれたんだろうね?それは、今でも不思議なんだけど...。あ、いけない。妻の良いところを並べるなんて、恥ずかしいこと言っちゃったかな?」 なんて、笑う景樹さん。 ...そういうところだよ、私が好きになったのは。 だって、景樹さん、全部聞こえてたんでしょ? 彼女たちが、コソコソ言ってるの全部。 だけど、聞こえないふりをしていたんでしょ? それは、自分のことを言われていたからで。 でも、彼女たちは、今、私のことを言い始めた。 自分の陰口は許せても、私の陰口は許せない、そういう人なんだ。 この人を選んで本当に良かった。 END
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