5/45
前へ
/391ページ
次へ
そんなことがあっても、幼いということは、強いらしく。 再び俺と聖那はお友達として、仲良くして。 俺たちは同じ小学校に入学した。 確かどこかにあったよな、入学式の写真。 あどけない顔で笑う聖那は、水色のワンピースを着て真っ赤なランドセルを背負っていた。 その隣には仏頂面で、笑みを浮かべようともしない黒い服を着て黒いランドセルを背負った可愛げのない俺。 聖那とは、1年生と2年生、5年生と6年生同じクラスだった。 1年生と2年生は、幼稚園の頃と何もかわらず聖那と仲良く遊んでいたと思う。 もちろん、俺と聖那、2人だけが仲良しだったわけじゃなくて。 他の幼稚園が同じだった友達とか、小学生になってから仲良くなった友達とか、とにかく男女問わずみんなで仲良しだった。 だけど、3年生のクラス替え。 俺は聖那と違うクラスになって。 密かに寂しく思う俺に聖那は呆気んからんと言ったんだ。 「アハハ、今年はひろくんと違うクラスだねぇ」
/391ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加