プロローグ

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田中氏 執筆 「なあ、金田。この世界に英雄はいないのか?」 「え?」 ヘロが突然そんなことを言い出したのは、 ヘロが家に来てから三日目に、 アブラプツリーの展望台に上った時だった。 どこか遠くを見るような眼をして、 あらぬ方向を向いて彼は言った。 「俺の世界じゃ、怪物とか魔物とかを倒しさえすれば英雄だ。別に頭がよくなくたってかまわない。だけど、ここには怪物なんていねえじゃねえか。」 「ここで英雄になる方法…」 英雄になるなんて、考えたこともなかった。 勉強してノーベル賞をとったりしたら英雄だろうか。 なんだかヘロが言うのよりパッとしないなあ…
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