3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「え、、、ね、、猫!?」
僕はびっくりした。家に猫がいることにもだけど、猫が喋ったことに。
「うん。猫だよ。名前はまだ無い。」
「それなんか聞いたことあるような、、、、って!そんなことより!どうして猫がしゃべってるの!?」
するとその猫は
「ふふっ。そんな猫もいるんだよ。」
と、変わらないトーンで言った。
「それより僕と遊ぼうよ。君の寂しさを少しでも埋めてあげる。」
喋る猫なんて聞いたことないよ。絶対おかしい。と最初は思っていたけど、猫の優しい声と寂しさの埋めたさでいつの間にかそんなことは忘れてしまっていた。
1時間ほど一緒に遊んだあと、僕はその猫に名前をつけることにした。
「ねぇ、確か名前。無いんだよね。」
「うん?うん。ないよ。」
「じゃあ僕が付けてあげるよ。」
「え?ほんとに?嬉しいなぁ!」
猫は嬉しそうに姿勢をピンと立たせて言った。
「うーーん、、クロでどう?黒いから!」
「なんて単純な、、、い、いや!嬉しいよ!ありがとう、シュン。」
「うん。どういたしまして。」
僕はその時、教えてない名前を呼ばれたことに気が付かなかった。久しぶりに「ありがとう」なんて言われて、嬉しかったからかもしれない。
その後、僕はお母さんに頼み込んで猫を飼うことができた。
元々昔死んだおばあちゃんが猫を飼っていたから、飼い方にも困らなかった。僕もおばあちゃんの猫とずっと一緒にいたからね。
それからの日々は、寂しいことが減り、楽しいことが増えるようになった。
最初のコメントを投稿しよう!