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「やっぱり何かあったんだ。何?」
僕は何か悪さをしてしまったとか、大したことのないだろうと思っていた。
「僕がずっと君の側にいて、話すことの出来る理由についてだ。」
でも、それは想像以上の事だった。
「実は、、実は僕。おばあちゃんの猫なんだ。」
「、、、え?」
瞬間、思考が止まった。
意味が、わからなかった。
「ど、どういう事?いや、だって、、おばあちゃんの猫は、、もう、、」
そう。おばあちゃんの猫 ガクは僕が8歳だった頃に死んだおばあちゃんに続いて、すでに死んでしまったいた。
「うん。死んでいるんだけどね。どうしてだろう。おばあちゃんとの約束が果たせなかったのが心残りだったからかな。」
クロは少し、寂しそうに言った。
「約束?」
「うん。実はおばあちゃんが昔言っていた事があってね。勝手に約束と決めつけてるだけなんだけどね。」
──ガクや。私はもうそろそろ死んでしまう。だから私が死んだ後、シュンの事を見てやってはくれぬかの。
あの子は私がいなくなってしまったら家で1人になってしまう。
それだけは、いやなんじゃよ。
おばあちゃんは、そんなことを言っていたらしい。
「でも、その後すぐ僕は交通事故で死んじゃって、君は1人になった。君が寂しそうにしているのを見るのは凄く辛かったよ。」
そして
「そんなことを思っていた時、知らない人が出てきてね。死神って言うのかな。その人が言ったんだ。」
──貴様はその未練を断ち切るまで成仏できん。よって、その子が10歳になるまでの2年間、共に過ごすことを許そう。それまでに未練を、断ち切るのだ。
「その人のお陰で僕は、また猫になった。喋ることの出来る猫にね。」
まだ何が何だかよくわからない。
でも確かに僕は学校が終わった後おばあちゃんの所によく行っていたし、ガクの毛の色も黒かった。
でも、信じる信じないより
「じ、じゃあクロは、、、今日いなくなっちゃうの?」
その事に、衝撃を受けていた。
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