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……っ! 頭痛え……
「ようやく起きたね? お寝坊さんめ☆」
頭を抑えながら起き上がると、すぐ目の前に女が立っていて、俺を見下ろしていた。神話に出てくる女性が着るような、シンプルかつ露出が多い白い布のような服を身に纏っている。顔は人間なのかと疑うほどに恐ろしく整っている。神々しさすら感じるほどだ。
そして、デカイ。何かとは言わないが、とにかくデカイ。
「な……なんなんだ、あんたは」
「あれれ? どこを見ているのか桜君? エッチ!」
女は大袈裟に胸の前で腕をクロスさせた。
「ち、ちげーよ! ……? まてよ、なんであんた俺の名前を知っている?」
「……私は神様だからね」
「は?」
「神様」
この女も中二病なのか。ここにきて初めての同志と出会った。少し嬉しい。
と、いうか、この状況はなんなんだろう。俺は……そうだ、俺は車に轢かれて……そんで気がついたらここに倒れていた。白い靄がかかっているここは、天国なのだろうか。
「そう。此処は天国だよ……と、言いたいところだけど、残念ながらちょっと違うんだなぁ」
女は俺の心を読んだかのように言う。
「……? どういう事だ?」
「それは、今から皆も呼んで説明するよ」
女は指をスナップさせた。軽い音と共に何の前触れもなく、数人の男女が何もない空間に現れた。
……天国って何でもありなのか?
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